Web業界では、数年前から「動画の時代」と言われています。
広告としての動画に限らず、「新商品の使い方」「〇〇料理の作り方」など、Webサイトで動画を使って紹介することで、集客力もアップすると言われています。
今、大注目されている、映像クリエイター。
気になる仕事内容や収入、映像クリエイターになる方法などを、デジタルハリウッド横浜校のネット動画クリエイター専攻トレーナー、高橋遼さんのコメントと共にご紹介します。
■コメント・高橋遼さん プロフィール
最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。朝日新聞AR広告プロジェクト、スターバックス・コーヒージャパン 「清川あさみコラボキャンペーン」、HISプロモーションJリーグ様「ヤマザキナビスコカップ2012ARプロモーション」等、多数のプロモーションを手がける。サンシャイン水族館「ペンギンナビ」では、カンヌライオンズ(旧:カンヌ広告祭)での最高賞のゴールドなど、受賞歴多数。
映像クリエイターといっても、大手テレビ局の社員から、中小企業の社員では、大きな差があります。これは、他の一般企業と同じかもしれません。
大手は高給、中小企業は会社に規模によりますね。
ちなみに、大手テレビ会社の社員の給料は、キャリアを積んで一人前になった人で、700万~1000万円以上くらいだと言われます。
中小企業の場合、会社にもよりますが、一人前になって平均600万円くらいと言われています。
会社に入って数年程度の実績の少ない映像クリエイターの場合は、300万円くらいが相場です。
しかし、フリーランスとなると違います。
完全出来高制ですが、技術や能力によって、年収1000万円以上という人もいます。有名な映像クリエイターの場合、1本数百万円の案件もあります。
有名なミュージシャンの映像を作ったり、コンテストで賞を取ったりして、知名度をアップさせることも、収入アップにつながりそうです。
しかし、すべては実力あってのこと。また、自ら築いた人脈も、大切です。
自分の力で、高収入を得られる可能性もある! しかも、学歴など一切関係ない、という映像クリエイターと言う仕事は、夢がある仕事だと言えそうです。
何度も書いてきた通り、企業の「動画づくり」という大きな潮流は、しばらく続きそうです。
しかも今は、映像クリエイターの絶対数が足りず、求人も多く見られる状況です。
今、流行している企業のWEBCMだけではなく、さまざまな場面で、動画の活用は増えていくでしょう。企業のプロモーションだけではなく、教育や医療、介護など、身近な業界でも、動画を活用する動きが始まっています。
映像クリエイターは、これからも拡大する将来性の高い職種だと言えるでしょう。
AIの進化、活用が進むにつれて、「単純作業はなくなる」「こんな仕事は淘汰される」などといったニュースをよく耳にします。
実際に、AIが仕事を奪うか? が大事なのではなく、「自分で考える力」が求められてきている時代です。
ですから、映像クリエイターも、
「これを作ってください。」
「はい。」
と、言われたとおりにつくるだけでは、生き残れないと思われます。
クライアントとの打ち合わせで、「こういうアイデアではどうでしょう?」「こうすれば、工程がひとつ減らせます」など、自分で考え、提案していく力が必要なのだと言えるでしょう。
もちろん、映像クリエイターの初心者は、言われたとおりにやるしかできません。
でも、修行時代に得たことをもとに、一人前になったときに、「こうしたほうが、クライアントの目的のためになる」という視点を持って、前向きな提案をできる映像クリエイターを目指したいですね。
映像制作会社の社員でも、フリーランスでも、一番苦労するのが、
「不規則な生活」
かもしれません。
たとえば、必要な映像が日の出であれば、朝早くから撮影の用意をしなくてはなりませんし、スタッフのスケジュールが合うのが一定の期間だけであれば、その日程で撮影を終わらせるために、寝る時間を削ることもあります。
編集作業も、納期に合わせるため、朝から深夜までかかることもあるでしょう。
ですから、スケジューリング、時間作りはとても大切です。
集中して仕事をして、リフレッシュのためのオフをつくる能力も、優秀な映像クリエイターの腕だと言えそうです。
たとえば、企業のWEB CMの場合、アップされればあっという間に、多くの人が見ることになります。アクセス数や、反響も、すぐに数字でわかります。
すぐに結果が出るので、
「すごい反響があったよ。」
「アクセス数が増えました。」
などと、クライアントから言われたときが、最もやりがいを感じるときです。
クライアントの目的を、映像と言う形で、うまく伝えられたのだという充実感ですね。
賞をとったり、有名になったりすることもすばらしいことですが、映像クリエイターの基本は、「クライアントの目的を、映像として伝えること。そして効果を上げること」です。
どんな仕事でも、それを達成できたときの喜びは格別ですね。
ぼくの仕事は、企業のWEB CMが多いので、たまにSNSで、自分のつくった動画について触れている投稿を見つけると、うれしいな、届いたんだなって思います。
賞をいただいたこともありますが、それが一番かと言うと、やはり違うと思うんです。企業などクライアントの思いを、動画として発信するのが映像クリエイターの仕事なので、伝わることが一番のやりがいですね。