当社では、デスクトップ用サイトのwebコンテンツをモバイルデバイスに最適化する「Mobify(モビファイ)」というサービスを展開しています。モバイルフレンドリーに関連した加熱もひと段落し、少し落ち着きを取り戻した今日この頃ですが、最近はサービスをご提案する中で「アクセシビリティ」という言葉をよく聞くようになりました。先日、別の記事でも少し触れましたが今回はこの「アクセシビリティ」に注目してみたいと思います。
ウェブアクセシビリティの語源と定義
高齢者や障害者など、心身の機能に関する制約や利用環境等に関係なく、すべての人がウェブで提供される情報を利用できるようにすること。
参考リンク:ウェブアクセシビリティとは?|総務省
ウェブアクセシビリティとは、どんな環境に置かれた人たちでも、webへアクセスした際に同じ品質の情報を得られるようにするということ。
アクセシビリティという言葉を捉えると、私自身もそうだったのですが、パッと思い浮かぶのは障害を持つ方への対応がありますよね。
視覚や聴覚にハンディキャップを持っている人たちのアクセシビリティをいかに高める事ができるのか…そう思うとなんだかハードルが高いイメージもあるのですが、でもこの”ハンディキャップ”をどう考えるかでだいぶ受け止め方が変わってきます。
先日、とあるセミナーでwebアクセシビリティに関する講演を聴いてきたのですが、登壇者の方がこんな風に解説されていました。
webアクセシビリティは障害を持った方の為だけに考えるのではなく、webサイトにアクセスする全てのユーザーに対して考慮されることで、これまでにもweb担当者が対応していることは沢山あるんですよ
どういう事かというと、次のようなことです。
“直射日光が当たる屋外でもwebコンテンツを閲覧しやすいようにコントラスト比を見直す”
これは、弱視の方や色覚以上の方への対応と同じ施策になるということです。
もう一つ例を挙げます。
“日中のオフィスで動画を見るときは音声ボリュームをoffにするケースもあるので、音声がなくても楽しんでもらえるように字幕を入れて情報を補う”
これは、視覚に障害を持った方への対応と同じ施策になりますね。
私もオフィスでよく動画を閲覧します(もちろん仕事の一環です)が、テキストで補足されていると非常に助かります。
日本を訪れる外国人も年々増加していますが、言語対応もアクセシビリティを高める上では必要なことですよね。2014年には1,300万人を超える外国人が観光で日本を訪れており、今年も1月~6月の累計で既に900万人以上(※1)が訪れているそうですが、そういった人たちが手に携えている端末はPCではなくタブレットやスマートフォンです。外国人観光客が重要顧客となる旅行・飲食・観光業界については言語対応はもちろん、デバイス対応もしっかり考慮しなくてはいけません。
日本国内のwebサイトについては、既にスマートフォン対応しているケースは多いと思いますが、それでも未対応のところはまだまだ沢山あるのが現状です。さらにタブレットを含めた対応となると、一気に割合は減ってしまします。国内においてはタブレットの普及率、利用率はまだそれほど高くないというのが実情ではありますが、アクセシビリティという観点から考えると、デバイス対応も重要なポイントですので今後の施策として是非検討してみてください。
※1 日本政府観光局(JNTO)2015年7月22日発表