パソコン、スマホの普及とともに、若年層の視力低下が右肩上がりの傾向にあるというのはご存知ですか?
かくいう私もメガネをかけはじめたのは2000年代に入ってから。大学ではノートパソコンの購入が必須で、日常的にパソコン画面を見るという環境だったせいか、友人が集まると全員メガネかコンタクト使用者という状況も珍しくありませんでした。
(余談ですが、友人数人とたまたま立ち寄ったコンビニの店員さんに「みなさんメガネなんですね!」と指摘されたことも…)
今回は現代人にとって切っても切れない悩みである、視力低下にフォーカスします。
冒頭で若年層の視力低下について触れましたが、文部科学省が公表している平成26年度学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子供が増加傾向にあります。
裸眼視力1.0未満の者の推移(1979年度~)/画像:ガベージニュース 出典:文部科学省
この中でも、特にここ数年増加している高校生に注目してみましょう。
裸眼視力1.0未満の者の推移(1979年度~、高等学校)/画像:ガベージニュース 出典:文部科学省
こちらのグラフは高校生の裸眼視力1.0未満を3つに細分化したものです。
特に注目すべきは2011年度以降の「0.3未満」の増加率。ここ数年で数値が跳ね上がっています。
さらに、高校生はスマホを触る時間が特に長いというデジタルアーツによる調査結果も。
未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査 出典:デジタルアーツ
男子高校生は1日平均約4時間、女子高生にいたっては1日平均約7時間もスマホを使用しているという驚きの結果になりました。7時間は睡眠時間と大体一緒ですから、寝ている間中スマホを触っていると考えると本当に驚愕しますね。
若年層、特に高校生の視力低下は、明らかにスマホの普及と関係していると言えるでしょう。
このような話になると「スマホだけでなくパソコンを含めたデジタルデバイスを持たなければいい」というに意見になりがちですが、それを実現するのは現代社会で生きる限り不可能に近いですよね。
ユーザー側の対策としてよく聞くのは
などですが、制作する側として何か気をつけるべきことは無いのでしょうか?
より快適なWEBサイトを提供するのが制作者の役目なのに、ユーザー側の対策だけで負担軽減を図る…なんだかおかしな話ですよね。ブルーライト等の避けられない問題はあるにしても、なるべくユーザーに負担のないサイトを提供したいものです。
それではどんなデザインがユーザーの負担を軽くするのでしょうか?
目に優しいデザインのTipsなどでよく見られる手法としては、ペールトーンやライトトーンを使ったカラーコーディネートです。例えば赤や青など、ヴィヴィッドな色合いを面積の大きい背景などに使用した場合、目がチカチカしますよね。これは瞳孔が疲れて瞳に入ってくる光の量を調整しにくくなっているためです。特にニュースサイト等の文章を読み込ませるタイプのサイトには使用しないほうがいいでしょう。
背景色が赤
背景色が薄いグレー系
また、見せたい情報のみにフォーカスできるように、余計なものはぼかしたり隠してしまうのも効果的です。わかりやすいものではポップアップウィンドウや写真を使ったデザインでよく使われます。
背景をぼかさずに文字を入れたもの
背景をほかして文字を入れたもの
この写真だとちょっとわかりにくいですが…読ませたいテキストに目が行きやすくなりますね。
さらに、スマホは画面が小さい分、文字が読みにくかったり画像やグラフが見えづらいなど、目と画面との距離が近くなりすぎることが多いもの。例えば文字の大きさをサイト上で自由に変更できたり、画像をより鮮明にするなど、より配慮が必要です。
加えて、スムーズな視線誘導があると必要な情報と必要でない情報をユーザー自身が判別しやすくなるので、目の負担になりにくいと言えるでしょう。
視線誘導についてはこちら(【Webデザインの参考に】視線誘導の3つのパターン+スマホサイトギャラリー4選)を参考にしてみてください。
パソコン版では優れたデザインや機能で対策がバッチリできていたとしても、ただスマホ化しただけではユーザーに負担のかかるWEBサイトになってしまうことも。特に4/21にGoogleの検索結果表示のアルゴリズム変更を受けて、とりあえずスマホ化した「ただあるだけ」のものになってしまっているWEBサイトも少なくないのでは?
あなたのスマホサイトは、ユーザーのことを十分に配慮したつくりになっているか、今一度見直してみてはいかがでしょうか。