突然ですが、みなさんはプッシュ通知を受け取っていますか? メール受信、SNSの新着、カレンダー、ニュース速報など、アプリを利用していれば当然のように受けとるこの“プッシュ通知”。最近ではWebブラウザにも配信することが可能となり、新しいマーケティングツールとして注目が集まっています。
Webプッシュ通知とは、Webサイトから直接ユーザーにメッセージを配信できる仕組みです。これまでは、アプリをダウンロードしたユーザーに対してしかできなかった“プッシュ通知” が、Webブラウザ上でも実現できるようになります。アプリの魅力的な機能のひとつとしてプッシュ通知がありますが、アプリを作らなくてもWebブラウザ上で実現できるのです。
当社が提供している、モバイル最適化サービス「Mobify(モビファイ)」では、このWebプッシュ通知機能を新たなサービスとして展開予定です。
今回は、Mobifyが提供するWebプッシュ通知をベースに仕組みやメリット、利用シーンをご紹介していきます。
ユーザー登録からWebプッシュ通知の配信までのおおまかな流れは次のとおりです。
まず、Webサイトを訪れたユーザーに対して許諾を得る(オプトイン)必要があります。ポップアップでバナーが表示され、ユーザーが受け取りの可否を選択することができます。
1.でユーザーが「Yes(受け取る)」を選択すると、今度はWebブラウザからの確認が出てくるので、ユーザーはもう一度「許可」を選びます。これでユーザー登録は完了です。
実際のメッセージ配信です。表示するメッセージは「画像+テキスト」のシンプルなものですが、内容は任意で設定することが可能です。
このメッセージをタップすると、該当ページ(コンテンツ)へリンクすることが可能です。
一番のメリットとしては、ユーザー登録のハードルが低いということです。ユーザーはポップアップ画面で受け取り許可のボタンを押すだけで、メールアドレスや電話番号、住所といった個人情報を登録する必要がありません。このため、気軽に受けとってもらえる確率が高くなり、タッチポイントを増やすことができます。また、Mobify(モビファイ)が提供するWebプッシュ通知はPCユーザーにも配信が可能(Chrome、Safari、Firefox)です。モバイルに限らず、PCを含めた幅広いアプローチを実現することができます。
さらに、サービスパッケージとして提供されるため、開発コストは不要です。サイトにはWebプッシュを有効にするためのタグ設定のみとなるため、初期投資の負荷が少ないこともメリットのひとつといえます。
まだ新しい機能ということもありますが、Webプッシュ通知の効果として次のような実証データがあります。
プッシュ通知からサイトを訪れた会員は、そうでない会員に比べて平均購入単価が約1.3倍に
プッシュ通知からサイトを訪れた会員は、そうでない会員に比べて平均滞在時間が約1.7倍に
Mobifyの開発チームはGoogleと協力して2015年5月からの実証実験をおこない、「Google Case Study – November 2015※英文」としてケーススタディが紹介されています。
※3ヶ月の実証実験をもとに得られた結果となります
プッシュ通知は今のところユーザーの許容度も高く、企業としても比較的取り組みやすい施策です。ただ、スマホの画面に直接表示させるため、その内容についてはしっかり設計する必要があります。
プッシュ通知の利用例としては、次のようなケースを想定するとよいでしょう。
これらはあくまでも一例にすぎませんが、ユーザー目線での情報設計がとても重要になります。もちろんユーザーはプッシュ通知をオフにすることが可能です。ひとたびユーザーから“いらない”と判断されてしまうと、その後のコミュニケーションができなくなってしまいます。プッシュ通知はなんでもかんでも配信するのではなく、ユーザーにとって必要であり、役立つものである情報を吟味したうえで取り組むことが大切です。