11月18日(火)、GoogleのWebマスター向け公式ブログ「Webmaster Central Blog」で、モバイル版の検索結果にスマホ対応のラベルが表示される、との発表がありました。スマートフォン向けにサイトが最適化されている場合には、スマホの検索結果ページに「Mobile-friendly」(日本では「スマホ対応」)と表示されるようになるようです。また、これを機にモバイルサイトのランキングを行う実験を始めるとも発表されました。
これは今後のSEO対策をはじめ、Webサイトの構築方法に大きな影響が出てくると予想されます。今後のモバイル対応を考える上で、重要な指標となるでしょう。
Googleの発表を受け、急遽レポートにまとめてみました。
まずは原文からチェックしてみます。「Helping users find mobile-friendly pages」の記事(日本語版はこちら)では、スマートフォンのユーザビリティの観点から、モバイルでの検索結果では、リンク先がモバイルに最適化されているかどうかを知らせる必要があると記しています。
Google|Webmaster Central Blog(原文)
「Helping users find mobile-friendly pages」
――スマホで検索したサイトを開いたときに、テキストやリンクが小さかったり、横スクロールをしないと全体を見ることができなかったり、という経験はありませんか? これはWebサイトがスマートフォンに最適化されていない時に起こります。
Google|ウェブマスター向け公式ブログ(日本語)
検索ユーザーがモバイル フレンドリー ページを見つけやすくするために
――Google では、ユーザーが目的の情報をより簡単に見つけることができるようにするために、モバイル版の検索結果に[スマホ対応] というラベルを追加します。
このラベルは、スマートフォンで検索した場合に表示されます。現在は英語圏のみの提供ということですが、実際に端末の言語設定を英語にして検索を試してみたところ、日本語のサイトでもモバイルに最適化されているサイトに「Mobile-friendly」ラベルが表示されていました。Googleは、今後数週間のうちに全世界で適用されると発表していますので、日本でもこのラベル表示(日本語版では「スマホ対応」となります)は、すぐに確認できるようになります。
検索結果の例。サイト説明の前に「Mobile-friendly」と表示されている
スマートフォン向けにユーザビリティを考慮してサイトが作られているかどうか、下記の点が評価の指標となっています。
◆Flashなどモバイルに不適切な技術を使用していない
◆ズームしなくてもテキストの可読性がしっかりある
◆ズームや横スクロールしなくてすむように、スクリーンに最適なサイズにコンテンツを調整してある
◆タップしやすいようにリンク要素の間隔を空けてある
Googleは、2011年からPage Speed Insightsというスピードとユーザビリティを検証するサービスを公開していますが、今回の「Mobile-friendly」の指標はPage Speed InsightsのUX(ユーザビリティ)に関する評価とだいたい同じです。
この「スマホ対応」ラベルはどういう意味を持つのでしょうか? 現状ではスマホで検索した結果、リンクからページを開くとPC用サイトが表示されてしまうことがあります。これはユーザーにとっては不便であり、「スマホ対応」ラベルは、そうした”がっかり”をさせないための補助的な機能です。
しかし、Googleではすでに検索順位に影響を与える要素の一つとして実験を始めていると発表したため、注意が必要です。
――このラベルはモバイルユーザーが最適なWebエクスペリエンスを得られるための第一歩で、現在この「Mobile-friendly」をページランクの指標として使用できるように実験している。
SEO対策にも影響が始まりそうです。今までサイトの内部構造を中心に行われていた施策が、今後は、スマートフォン対応のユーザビリティも考慮する必要性が出てきました。
一部のB to Bの企業サイトなどでは、スマホでもPCサイトが見えるから最適化はまだ必要ないという考え方もありましたが、今後はモバイルへの最適化が外せなくなってきたと言えるでしょう。
新しく「Mobile-Friendly Test」というチェックツールも公開されました。URLを入力してチェックを実行すると、モバイルに最適化されているか判断します。
チェックツール:Mobile-Friendly Test
最適化されているページには「Awesome! This page is mobile-friendly.」と表示されます。
講談社様|withonline
一方、最適化されていないサイトではどうなるでしょうか? 試しに観光庁のサイトをチェックしてみたところ、「Not mobile-friendly」と表示され改善項目がリストアップされます。つまり、非常に残念な結果ということを表しています。
PCサイトとは別にスマートフォンサイトを用意している場合でも、「スマホはこちら」などのボタンで誘導していると、検索結果にはPCサイトが表示され、ラベル無しの非推奨になってしまう場合もあります。これはランディングページが別URLになってしまうためです。スクラッチでの専用サイト構築、プロキシーソリューションによるm.xxx.co.jpサイトなどが該当しますが、以前からGoogleはこれらの手法を推奨していませんでした。
例:イオンショップはスマホサイトが別URL、つまりLP(ランディングページ)が異なるため、検索結果はPCサイトを評価している
これらをもっと詳しく知りたい場合は、Webマスター向けにモバイル最適化をガイドするサイト「Mobile-Friendly Websites」も公開されています。併せてサイトリニューアルの参考にしてみてください。
公式ブログの発表どおり、数週間のうちにラベルがついて検索結果からの誘導に影響が出てしまうとなると深刻な問題となる場合もあるかもしれません。そんな時はGoogle推奨のモバイルベンダーである当社のモビファイを利用してスピーディーかつパーフェクトなスマホ対応をしてみてはいかがでしょうか?
レポート/大賀匠竜 株式会社ドーモ 技術責任者 UI/UXデザイナー