11月19日(木)モバイルラボを運営しているドーモで、「モバイル勉強会★築地deボジョレー★」というイベントを開催しました。今回はそのレポートをお送りしたいと思います。
「モバイル勉強会★築地deボジョレー★」は、ドーモ初の試みとして、弊社で展開をしているモバイル最適化サービス『Mobify』を導入企業のご担当者様や、企業サイト(Eコマースを含む)を運営しているご担当者様をご招待して開催しました。
参加者のみなさまにはボジョレー・ヌーボーだけではなく、Webサイトの計測ツール「mpals」を提供する株式会社SOASTAの秋山 英二氏による「1秒の価値」、そして、東急のビジネスコンテストで「スマートプレート」で渋谷賞を受賞された、株式会社アクアビットスパイラルズの萩原 智啓氏による「ググらせない。」をテーマとしたミニセッションでしっかりとお勉強していただきました。
まずは、オープニングトーク。弊社CTO 大賀 匠竜から、Mobifyの歩み、そしてこれからの未来をお話しました。「Mobifyはパフォーマンスとユーザーエンゲージメントを主軸に、カスタマーサクセスのプラットフォームとして展開をしていきます」という宣言からイベントはスタートしました。
さらに、11月20日にGoogleがおこなった「Chorome Dev Summit」の速報ピッチをおこないました。「Chorome Dev Summit」では、Webのパフォーマンスについて時間を割いて語られていたように、そのパフォーマンスのモデルとなる「RAIL」について解説。「RAIL」とは、少ないリソースやスマホなどの制約のあるインターフェース、不安定なネットワークなど限定された環境下でWebサイトをどのようにチューニングをすればよいのかの指針の事です。Webのパフォーマンスに関わる「Response」「Animation」「Idle」「Load」の頭文字をとったワードです。
Response – 反応
ユーザーがアクションを起して、反応するまでの時間を0.1秒未満になるように。
Animation – 動き
Webページ上の動きは0.016秒で更新されるように。
Idle – 猶予
処理するまでの時間は0.05秒未満になるように。
Load – 読み込み
Webページの読み込みは1秒未満に。
上記4つのキーワードとそのタイミングが、モバイルシフトしたWebサイトのパフォーマンスのガイドラインになると発表をしました。
スペシャルトークとして、株式会社SOASTAの秋山氏より「1秒の価値」と題して、ミニセッションをおこないました。SOASTAは「mPuls」というWebのパフォーマンスを計測・分析するツールを提供しています。そのmPulsを導入した企業の導き出されたデータから、パフォーマンスの重要性を訴えました。
最も衝撃的だったのは、「パフォーマンスが悪い原因は90%はフロントエンド」という言葉に参加者の皆様はショックを隠しきれない様子でざわめきが起こっていました。確かにパフォーマンスを上げようとすると、バックエンドの改善に目がいってしまいます。いざバックエンドの改修でパフォーマンスを上げようとすると、「お見積もりウン千万円」という天文学的なコストが掛ることは経験があると思います。
実際にmPlusを導入し計測、フォーカスすべきページの分析を行い、改善をおこなったところ、ロードタイムの1秒削減・98パーセンタイル(小さい値から数えて98%目の値)のロード時間6秒削減でコンバージョンレートが10%もアップしたという事例もあるとのこと。それであれば、少ないコストでフロントエンドのパフォーマンスを改善することは、ビジネスに大きなインパクト与えることが明白です。パフォーマンスのインパクトを理解し、分析、実行(継続的に)すること、それがユーザーエクスペリエンスを高め、ひいては売り上げアップに大きく貢献すると秋山氏は締めくくりました。
スペシャルトーク第2弾。アクアビットスパイラルズの萩原氏より、モノとネットを直接つなぐIoT情報配信プラットフォーム「スマートプレート」に関するミニセッションをおこないました。
萩原氏は、「ググらせない。」をテーマにピッチを展開。スマートプレートにスマートフォンをかざすだけで、商品購入ページやFaceBookページなどさまざまな情報にリンクすることができ、貼り付けたモノの情報を“ググらず”にアクセスが可能になります。大型家電や持ち帰りにかさばる商品などスマホをかざすだけで注文ができ、その日のうちに商品が届く、商品の購入接点だけではなく、観光地のガイダンスや訪日外国人の多言語ガイドなど、スマホをかざせばネットの世界につながる……リアルな顧客接点とオンラインサービスとの「Last One Inch」をつなぐプラットフォームとして注目を集めました。
アクアビットスパイラルズのスマートプレートは、先日発表された東急電鉄とIMJインベストメントパートナーズが主催したビジネスコンテスト「東急アクセラレートプログラム」の準グランプリに相当する「渋谷賞」を受賞されました。来年1月から東急沿線でスマートプレートを使ったテストマーケティングを実施するとのことです。
今回のイベントでは、モバイルの現状と未来をワイワイと語り合いながら参加者のみなさまにはお楽しみいただけたと思います。
SOASTA秋山様の「パフォーマンスの90%はフロントエンドで決まる」という刺激的なフレーズに始まり、アクアビットスパイラルズ萩原様の「ググらせない。」には、みなさまのビジネスのヒントになったのではないでしょうか。
弊社ドーモも、ずっと「モバイルは大事」「パフォーマンスは大事」ということを言い続けていましたが、“ボジョレーモバイル”でその意味をご理解いただけと思います。「とことんカスタマーサクセス!」を掲げて、みなさまの成功をいっしょに体験できればと考えていますので、また次回(2月?バレンタインデー?)のイベントでお会いできることを楽しみにしています。