マルチデバイス化が進み、スマートフォン・タブレット・PCなど複数デバイスを利用するユーザーがあたりまえになりつつありますが、そこで出てくる問題がクロスデバイスのコンバージョンではないでしょうか。
昨年話題になったFacebook広告のレポート機能のクロスデバイス対応や、ユニバーサルアナリティクスのUser-ID機能などさまざまな機能が追加され、「行動履歴がとれない!」と悩むことも少なくなってきていますが、おさらいもかねてマルチデバイス・クロスデバイスの違いとユーザー動向についてご紹介したいと思います。
そもそも「クロスデバイス? マルチデバイス? 何がなんだか!」と思われている方もいらっしゃるかと思うので、簡単に違いをまとめてみました。
1つのコンテンツやサービスをどんな端末(デバイス)で見ても、同じ内容が“見れる・表示できる”こと
マルチデバイス対応がなされている1つのコンテンツをさまざまなデバイスで流通して“使用できる”こと
例えば、朝の通勤時にスマートフォンで閲覧したサイトをお昼にパソコンで確認、夜、家で商品を購入する場合、都度都度URLを打ち込むのは面倒ですよね?
マルチデバイス対応のサイトの場合、ほとんどが同一URLですから、メールやアプリでスマホからPC・タブレットへURLを転送すれば、どのデバイスからでも同じ内容を閲覧することができます。
この“どのデバイスからでも同一の内容が確認できる”つまり、「見るや閲覧する」に関する部分をマルチデバイス、「転送や共有」に関する部分がクロスデバイスになります。
以前ご紹介した、ヤフー調査のデバイス利用実態調査では5人に2人以上は毎日2台以上のデバイスを使用しています。
マルチスクリーンのデバイス利用実態をYahoo! JAPANが発表! 気になる調査結果は?
また、こちらもヤフー調査でスマートフォン向け広告の接触者のコンバージョンは、スマートフォンは全体の約40%に対し、約55%がPCからによるものという調査結果がでています。
スマートフォン向け広告によるコンバージョンの盲点とは?
通勤電車内でスマホでチェックして、休憩時間や夜ゆっくりと家で購入する。なんて方が多いのではないでしょうか?
クロスデバイス、アプリ、オフラインなど、さまざまな方法で商品を知ってもらう機会が増え、ユーザーへのアプローチ手段の幅が広がると同時に出てくるのが、そのデータを活用してのプロモーションです。
PCのみの時代では、cookieを利用してユーザーの行動履歴などを分析、最適なプロモーションを行うことができていたと思います。スマートフォンとPCなど、デバイスで分断されているそれぞれの情報をどう取得していくかが課題となってくるのではないでしょうか。
行動履歴の分断について、以下のサイトで、わかりやすく説明していますので、興味のある方は参考に見てください。
Cookieを超える!クロスデバイスのアドテク最新動向まとめ
ユニバーサルアナリティクス:クロスデバイストラッキング
言わずと知れた、Googleの解析ツールです。従来のアナリティクスでは各デバイス毎でカウントされたため、同一ユーザーの行動として計測されなかったのですが、ユニバーサルアナリティクスの『User-ID機能』でクロスデバイス計測が可能になりました。
ただし、このクロスデバイスの計測には、アナリティクスとサイト側のログインID機能を紐づける必要があるため、ECサイトなどのログイン機能のあるものに限られてしまいます。
Facebook広告:クロスデバイスレポート機能
https://ja-jp.facebook.com/business/news/JA-Cross-Device-Measurement
こちらも言わずと知れた、SNSの代表。Facebook広告のクロスデバイスレポート機能です。デバイスの種類や移動している人数・コンバージョンに至る時間などのコンバージョン率が閲覧可能です。
Facebook広告クリック後にデスクトップでコンバージョンした数をみると、チェックと行動はべつものなんだなと、実際に広告出稿して試してみたくなりました。
日々進化しているWEB業界。クロスデバイスの行動履歴取得ツールもさまざまなものが出ていますが、同時に超音波で関連付ける取得方法などプライバシーに関する問題を持つ技術も出てきています。
行動履歴の取得や活用はモラルをもって行っていただきたいなと、いちユーザーとして、WEBに関わる人間として注意していく必要があると感じました。