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「スマホと検索」を語る ~マーズフラッグ 武井信也社長インタビュー・前編~

マーズフラッグ 武井信也社長

WEBにとって「検索」とは、目的に到達するための重要な手段ですよね。切っても切り離せない関係と言えます。そこで、「サイト内検索で企業とお客様をつなぐ」をモットーに、サーチテクノロジーを活用したサービスを開発・販売している株式会社マーズフラッグの代表取締役・武井信也氏にインタビュー。前編では、「スマホと検索」をテーマに、語っていただきました。

スマホ検索には、ナビゲートしてくれるインタフェースが必要

――サイト内検索サービス「MARS FINDER」が好評ですね。

最初に買ってくださったのは、三菱電機ですね。2番目がHONDA、3番目がキヤノン。おかげさまで、大手の企業様や政府機関に導入いただいています。現状のサイト内検索については、日本ではどうしてもPC版が先行している状況です。お客さんによってはモバイル版もほしいということで、レスポンシブ対応したものなどは用意していますが。

――スマホでのサイト内検索で、PCとの大きな違いは何でしょう?

ひとつ大きく違うところは、画面をタッチできるかできないか、でしょうか。

例えば、我々のサービスは「見える検索エンジン」といって、マウスカーソルが画像の上に乗ると、画像が拡大します。それにより、CVRが増えたという数値もあります。しかし、マウスオンの概念がないので、スマホではできない。

そうなると、違う考え、デザインが必要になります。現状、スマホに適したUI・UXがあって、スマホやタブレットはこういうものだと共有知ができている。例えば「横3本線のボタンを押すとメニューがでてくる」のは共有知ですよね。こういったデザインについては、あえて逆らう必要はないと思うんですよ。「スマホならでは」でできてきた文化と、共有のノウハウを取り入れて、使いやすさにフォーカスすべき。その考えのもと、開発をしています。

――検索数などの違いはいかがですか?

少なくとも、日本でのデータを見ると、スマホもPCも変わらないですね。もちろん、スマホだと入力がしづらいので、これはマイナス点。一方で、スマホはサイトに載せる情報量が減るので、自分が欲しい情報にナビゲーションを使ってたどり着くのがPCより難しい。なので、必ず検索はしたくなるため、ここがプラス点。その意味で、プラスマイナスゼロなんでしょうね。

スマホの場合は、検索のUI・UXも考える必要があります。例えば、キヤノンのサイトで「カメラ」と検索したら、「カメラレンズですか?」「銀塩カメラですか?」「カメラのサポートですか?」と次々とナビゲートしてくれるインタフェースが必要なんです。タップで進んでいけるなら、ストレスもないですしね。

――そのほかに、スマホ独自の視点で、検索で重要な点はありますか?

「検索ランキング」ですね。一般的に、サイト内検索だと、TOP10に載っている単語で検索クエリの6~7割はカバーできるんです。「故障」「インク」「紙詰まり」「採用」など、探している単語がランキングに載っているので、後はそれを押すだけでいい。ユーザーにとっても使いやすいと思います。

それに、日本語って難しいんですよ。何という言葉で検索したらいいか、悩むことってありませんか? 例えば、自分のカメラが壊れた場合、「動かない」という言葉で検索してもなかなか目的のページが検索結果に出ないんですよね。「故障」や「サポート」といった単語でないと。その意味でも、ランキングに表示していると、どれを見ればいいか、すぐに解りますからね。ですので、我々のサービスでは、ランキングも結構充実させています。工夫をして、「いかに手間なく欲しい情報にたどりつかせるか」が重要なんです。

グーグルには負けられない…でも7年もかかっちゃいました

――そもそも、武井さんはエンジニア出身なんですよね?

マーズフラッグ 武井信也社長そうです。子供のころからプログラマーでした。パソコンがまだない時代に、ワンボードマイコンで、5歳くらいからプログラム書いていました。

パソコン時代になって、ネットで友達とかとつながって、さらにいろいろできるようになったんですが、商用で気に入ったものがなかったので、ハードもソフトも自分たちで作っていました。ハードは高3の頃には、市販の物を組み合わせて自分たちで作ってましたし、改造して、その方法を雑誌に載せたりもしていましたよ。

プログラムを書くのも、ハードの工作も、両方好きでしたが、いいハードがメーカーで作られるようになってからは、プログラムを書く方が多くなりましたね。

会社を作ってからも、基本的にコードも自分で書いたりしていました。最初の検索エンジンは1人で書きましたね。クローラーなども含めて、すべて。思い出したくないくらい、何万行も書きました…(苦笑)。

――それが、いまのマーズフラッグのサービスのベースになっているんですね。その検索エンジンを作り終えるのに、どのくらいかかったんですか?

全てのコードを書き終えるのに、7年です。世に出したのが、2006年かな。3年くらいの予定だったんです、最初は。同時期に、グーグルという会社ができたと噂を聞いて、「それには負けられない」ってやっていたんですけど、こっちは一人だし、7年もかかっちゃいました(笑)。

――今もまだ開発はされているんですか?

いや、もうしていないです。僕はギークなんで、新しい言語がでたらとりあえず書いてみて、遊んで、評価しますが…。ただ、いまは経営が楽しいんですよ。もっともっと大きな価値を付加できますから。それに、自分でやらなくても、プログラマーには指示できますしね(笑)。

スマホで検索するまでは縦で、検索結果は横で見る人が多い

――モバイルと検索の話に戻りますが、今後、モバイルの検索はどういう方向性を目指すべきだと思われますか?

マーズフラッグ 武井信也社長「モバイル」に関しては、5~7インチの「ファブレット」があったりもするので、タブレットとスマホで分けて考えられないと感じています。解像度も機器によってまったく違っていて…。それに、モバイル機器の場合、PCと違って、縦横の向きが頻繁に変わることがある。なので今、マーズフラッグでは、「解像度と画面サイズの両方をどう考えて、適切な画面を出すか」をテーマに、技術開発やUX研究をしています。

実は、スマホの場合、検索するまでは縦で、検索結果が出たら横で見るユーザーが多いんです。スマホ画面を回転させる動きに対しては、ページをリロードさせることなく、レスポンシブで対応しています。縦と横の検索結果画面では、少し画像サイズを変えたり、サマリーの文字数も変えたり…。

――そうなんですね! 画面サイズで最も見やすい構成にする、と。

もっと言うと、例えば真ん中まで読み進めていた時に、横に倒すと一番上に戻ったり、ある部分を拡大して見ていたのに、横に倒すとズレて違うところが拡大されていたり…って、頭にきますよね?(笑) それをキープするのがすごく難しいんです、実は。でも、UXの世界で「視点移動」というのですが、視点移動のストレスをできる限りなくしたい。

まだ完璧ではないですが、実装していますよ。でもこれって、気づかれないのが一番カッコいいんですよ(笑)。便利だと気づかれない便利さを提供したいですね。我々の会社でも、そこはこだわっています。

――確かに、当たり前のように使いやすいのって、カッコいいです!

そのうち、そういうことが簡単にできるようなJava Scriptのライブラリとか出てきそうですよね。今はないので我々で出していますが、もっといいのが出てきたら、そっち使います(笑)。

マーズフラッグは、オープンイノベーション政策をとっていて、我々のサービスはほとんどオープンソースでできています。一方で、他のオープンソースに対して、ライブラリとして新しい機能を開発することも多いんです。そうして共生関係を築いている。そういう政策をとれば、ベンチャーでも十二分にやっていけると思うんです。

我々の価値は何かというと、「検索のスペシャリスト」。それ以外のところは一緒にやっていけばいいんですよ。

――マーズフラッグは、最近はアジアにも進出していますね。

シンガポールに拠点を作りました。アジアは、モバイルの普及がすごいですからね。そういえば、シンガポールではスマホ版の管理画面がないことにびっくりされました。逆に僕はそれに驚きましたが。「管理はPCでしないの?」と聞くと、「え!? iPadでできるでしょ」みたいな…。

そうすると、インタフェースを変えていかなくてはいけない。管理画面はボタンがたくさんありますからね。それをどうやって、スマホ・タブレットで見せていくか。今後、日本やアメリカの企業は改善していかなくてはいけないんですよね。

おそらく、今後はそれが製品として、日本に逆流して入ってくると思います。もっと言えば、モバイルファーストで開発して、それをPCへ移管する形になっていくはず。その意味でも、スマホファースト、モバイルファーストの会社になっていきたいですね。

後編『「アジアのスマホ事情」を語る』はこちら

株式会社マーズフラッグ https://www.marsflag.com/
1998年10月に創業。サイト内検索「MARS FINDER」やWEBサイト品質管理「MARS QUALITY」といった、サーチテクノロジーを活用したサービスやソリューションを開発・販売。「MARS FINDER」は三菱電機やキヤノン、本田技研工業など、大手企業のサイト内検索に実装されている。シンガポールにアジア統括会社としてMARS FLAG Asia Pacific Pte Ltdを設立。アジアにもサービスを展開中。

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