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ECサイトのカゴ落ち対策できていますか?

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カゴ落ち率の平均は68.63%

Eコマースのユーザビリティ調査のBaymard Instituteが調べたところによると、Cart Abandonment Rate、いわゆるカゴ落ち率の平均は実に68.63%になるということです。(2016年1月14日時点)

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(図:33 Cart Abandonment Rate Statistics)
https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

カゴ落ちとは、カートに商品を入れたユーザーが購入・注文することなくサイトを離脱することで、カゴ落ち率は (1-(実際に注文された数/商品が投入されたカートの数))x100で算出されます。

カゴ落ち率は年々上がっている?

上記の平均カゴ落ち率は2006年から2015年までの33の調査から出された平均値となりますが、これを年ごとに分けると次のようなグラフとなります。

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2006年には59.8%だったカゴ落ち率は多少の変動はあるものの、年を追うごとに高くなっていき、2015年は72.74%にまで達しています。実際のお店だったらカゴに入れた商品を戻すのは少し気がひけますが、ECサイトでは購入するまでは支払う必要がないため気軽にカートに入れることは理解できます。それでもせっかくカートに入れてもらった商品を購入してもらうようカゴ落ち率を下げることはできるのでしょうか?

購入しない理由の1位は予想外のコスト

それではなぜカートに入れた商品を購入しないのか、statistaのレポートを見ると56%は「予想していないコストを提示された」からということです。順に下記のような理由が並んでいます。

  1.  予想していないコストを提示された(56%)
  2.  ブラウズしていただけ(37%)
  3.  他でもっと安いところがあった(36%)
  4.  総額が高かった(32%)
  5.  買うのをやめた(26%)
  6.  サイトのナビゲーションが複雑(25%)
  7.  サイトがクラッシュした(24%)
  8.  購入プロセスが長すぎた(21%)
  9.  支払いのセキュリティチェックが厳しすぎる(18%)
  10.  支払いのセキュリティに不安がある(17%)

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(図:Why do online shoppers leave without paying?)
https://www.statista.com/statistics/232285/reasons-for-online-shopping-cart-abandonment/

これを見ると商品そのものの値段は3番目の理由となっています。予想外のコストや総額というのは主に送料を含めた金額となります。購入プロセスを進めるうちに最初は表示されていなかった送料などが含まれていき、予想していなかった金額となったので支払いの前にやめてしまうというユーザー心理が見えてきます。

送料など商品以外に必要となるコストがあるのであれば、あらかじめ提示しておく必要があります。もちろん送料無料などを提供できればより購入率は高くなることが期待できますが、これは利益率などを考慮しながら慎重に進めていかなければなりません。それでは経営的な判断を必要としない、もっと手軽にカゴ落ち率を下げることはできるのでしょうか?

ユーザビリティも離脱の原因

引き続き離脱要因を見ていくとコストに関する理由は上位を占めるものの数としては3つにとどまっている一方、6~8位ではサイトの作り方に起因するユーザビリティ、いわゆるUX=ユーザーエクスペリエンスが欠如している理由が並んでいます。

7位のサイトクラッシュの他に12位にもサイトがタイムアウトしたという理由があるようにサイトが使えなくなってしまうのは問題外として、その中には実際には処理中にもかかわらずクラッシュしたと認識されているものも含まれていると推測されます。

ヒューリスティック分析に基づいたユーザビリティ研究で知られるヤコブ・ニールセン博士の有名な研究にもあるように機械の応答速度に対して人は次のように反応します。

  1. ~0.1秒:素早い
  2. 0.1~0.3秒:認識できる一瞬の遅れ
  3. 0.3~1秒:機械は動いている
  4. 1秒~:他の方法を考え始める
  5. 10秒~:処理は諦める

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(図:Jakob Nielsenの「Website Response Times, 2010」)
https://www.nngroup.com/articles/website-response-times/

1秒を超えた時点で人の感覚としては不具合があると感じ始めるということなので、カートフォームの処理に時間がかかっているだけなのにクラッシュしたと思われているものも中にはある可能性は十分にあります。

このようなユーザビリティに起因するカゴ落ちを回避するにはサイトのスピードを速くしたり、フォームの構成や動線を見直すといったUXの対応が必要となってきます。

カートのユーザビリティ改善

  1. サイトのスピードを速くする
  2. 購入プロセスがわかるステップ画像を表示する
  3. 直接購入に必要ない項目は省略する

カゴ落ちしたユーザーの4分の3は購入意思がある。

購入に関わるコストを減らしたり、使いやすいユーザビリティを提供できたとして、「ブラウズしていただけ(37%)」「買うのをやめた(26%)」といった理由で放棄されたカートはもう救いようがないのでしょうか?

Business Insiderのレポートによると、「カゴ落ちしたカートが必ずしも失注となるわけではなく、4分の3のユーザーはサイトや店舗を再訪問していずれ購入する意思がある」ということです。

Shopping cart abandonment: online retailers’ biggest headache is actually a huge opportunity
https://www.businessinsider.com/heres-how-retailers-can-reduce-shopping-cart-abandonment-and-recoup-billions-of-dollars-in-lost-sales-2014-4

ほとんどのユーザー(99%)は初回の訪問で購入することはないものの、そのうち75%は購入する意思がある一方で、カゴ落ちしたユーザーは見込み客ではないと思っているECサイト運営者は81%にものぼります。

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(図:Shopping Cart Abandonment: Why It Happens & How To Recover Baskets Of Money)
https://conversionxl.com/shopping-cart-abandonment-how-to-recover-baskets-of-money/

この結果、マーケティングコストを投下しても回復できないという思い込みにつながり機会損失となってしまいます。このようなユーザーに対してはリターゲティングメールなどでサイトへの再訪につなげていくことが重要となってきます。

事実、初回訪問と購入までの間隔の平均は19時間で、72%のユーザーは12~24時間以内に購入しているという調査もあります。

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アプリならPUSH通知で42%改善も

リタゲメールや広告の他に、スマホアプリがある場合はPUSH通知を活用することでカート落ちしたユーザーを再訪につなげることができます。PUSH通知の開封率はメールより50%も高く、クリック率も倍近くあるというデータがあります。

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(図:More Than 70% of Consumers Value Push Notifications [Infographic])
https://www.adweek.com/socialtimes/70-consumers-value-push-notifications/200138

また、下の図はカートに商品を入れてから4時間以内に購入しなかった(カート落ちした)ユーザーの最終的なコンバージョン率を示したものです。PUSH通知がない場合は9.7%にとどまっているのに対し、PUSH通知を受け取ったユーザーではそこから42%もコンバージョン率が向上しています。

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(図:New Data: How Push Notifications Affect User Purchasing)
https://www.kahuna.com/blog/new-data-how-push-notifications-affect-user-purchasing/

現在BtoC企業のうちアプリを提供している企業は29.3%となり、それらはアプリ自体での収益を狙ったものではなくデジタルマーケティング戦略の一環となっています。その中でもユーザーとの直接コミュニケーションを実現できるPUSH通知は企業アプリにとって欠かせない存在です。

Criteoの「”State of Mobile Commerce” Q2 2015」によると、モバイル端末での売上が全体の25%を超える小売業者のうち、アプリはモバイル全体の47%の売上を占めているといいます。

(https://www.mobilestrategies360.com/mobile/2015/06/26/mobile-now-accounts-30-e-commerce-transactions?utm_source=EmailDirect.com&utm_medium=Email&utm_campaign=MS360+-+2015-07-02+Non-Actives+Domestic)

ではモバイルWebしかない場合はすぐにアプリを開発しなければいけないのでしょうか?

WebPUSHが開くモバイルエンゲージメント

2015年3月からAndoroidのChrome42以上でWebサイトからのPUSH通知を受け取ることができるようになりました。これによって今まではアプリでしか実現できなかったダイレクトなPUSH通知がWebサイト単体でも利用できるようになりました。

Mobifyでは2015年5月からGoogleの協力の下、このWebPUSHの実証実験を開始しています。その結果によるとWebPUSHのクリック率は20%、WebPUSHからサイトを訪れたユーザーはサイト全体の平均より26%高い収益を上げたというレポートがあります。

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また、WebPUSH通知はモバイルだけでなくPCサイトでも利用できるため、今までよりもより広範なユーザーへのリーチを高めることができます。WebPUSHを最適なタイミングで配信することで、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーが購入へといたる手助けとなります。

カゴ落ち対策はサイトのエンゲージメントを高める

以上見てきたようにカゴ落ちの要因としては主に次のように分類できます。

  1. コスト
  2. ユーザビリティ
  3. タイミング

そしてそれぞれの原因に対しては次のような対策がとれます。

  1. 価格戦略
  2. UX改善
  3. リターゲティング

いずれの方法もユーザーがよりサイトに近くなるという点を考えるとカゴ落ち対策は収益を向上するだけでなくエンゲージメントを高める重要な施策と言えるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人
大賀 匠竜
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Mobify(モビファイ)とは

Googleが認定しているマルチスクリーン対応のための最適化サービス。
デバイスに応じ、専用にデザインされたサイトを表示することができます。
ページの表示を高速化させる仕組みも持ち合せており、ユーザーの離脱を防ぐことが可能です。

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