みなさんは「Micro-Moments」という言葉を聞いたことがありますか? これは、Googleが定義した言葉で、何かをしたいと思った時、すぐに目の前にあるデバイスを使って「調べる・買う」という行動を起こす瞬間、「何かをしたい」という意図が読み取れる瞬間のことを意味しています。
参考リンク:Google と考える Micro-Moments(1): マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方 | Google Inside AdWords-Japan
Googleは、モバイルにおける重要視するべき瞬間として、次の4つのMomentを挙げています。
参照元:4 New Moments Every Marketer Should Know
上記の図に書かれている数値は以下の通りです。
・知りたい(I want to know)
65%…数年前と比べて、情報はオンラインで調べるというネットユーザーの割合
66%…TVCMで見たことをスマホで検索するスマホユーザーの割合
・行きたい(I want to go)
2倍…「Near me (私の近く)」という検索の去年と比べた増加率
82%…ローカルビジネスを探すときに検索エンジンを使うスマホユーザーの割合
・したい(I want to do)
91%…何かをしながらアイデアを探すためにスマホを使うスマホユーザーの割合
1億時間以上…「どうやってやるか」というYouTubeコンテンツが閲覧された合計時間
・買いたい(I want to buy)
81%…お店で買い物を決めるときにスマホを使って検討するユーザーの割合
29%…去年のスマホによるコンバージョン率の向上率
スマホが広く普及した今、「Micro-Moments」が生まれる回数は格段に増え、マーケティングの観点からみるとユーザーの意図に触れる機会も増え、大きなビジネスチャンスに繋がるといわれています。スマホを中心とした行動にシフトしたいま、Web検索の半数はモバイルからとなっていますが、今のサイトはそのユーザーに対して適切なコミュニケーションをとることが出来ているでしょうか? もう一度、自社のモバイルサイトが最適な設計となっているか、見直してみましょう。
「モバイルゲドン」ともよばれ話題になった、Googleの検索アルゴリズムの変更(2015年4月)ですが、これに“モバイルフレンドリー”が関わってきます。
早速ですが、皆さんのサイトをチェックしてみてください。
このチェックは、いくつかのポイントをもとにおこなわれますが(具体的な対応方法は、公式サイトに詳しく記載がありますので、そちらを参照ください)、具体的には以下の条件を満たした場合、モバイルフレンドリーであるという解釈が可能です。
・携帯端末では一般的でないソフトウェア(Flash など)を使用していないこと
・ズームしなくても判読できるテキストを使用していること
・ユーザーが横にスクロールしたりズームしたりする必要がないよう、コンテンツのサイズが画面のサイズと一致していること
・目的のリンクを簡単にタップできるよう、それぞれのリンクが十分に離れた状態で配置されていること
それぞれの項目をみると、至って当たり前のことのように思いますが、意外とそうなっていないサイトも散見されます。
Googleでは、さらにモバイルサイトのユーザーエクスペリエンスを高めるためのモバイルサイト作成における25の設計指針というものも提供しています。こちらで提唱していることも、モバイルユーザーにとってはごく当然に提供されるべき内容がほとんどです。
モバイルフレンドリーチェックや25の設計指針は、デザインやUIを意識する項目が多いのですが、をもうひとつ忘れてはならないのが、Webページの表示スピード(パフォーマンス)です。当社もパフォーマンスの重要性については折に触れて提唱している日々ですが、「Micro-Moments」を捉えるためには、とても重要な要素となってきます。
「Micro-Moments」におけるユーザーの意識レベルには色々な段階があります。何が何でも今知りたい!買いたい!という場合は、多少のストレスがあったとしてもじっと我慢してくれます。ですが、ちょっとした興味をもったユーザーがWebサイトにアクセスした時、なかなかページが表示されない場合はどうでしょうか。おそらく「まあ、ほかのサイトでも見られるから」といって、ユーザーは離脱してしまいます。そして、すぐに表示される競合サイトにいってしまうかもしれません。
参照元:What Users Want from Mobile | Compuware
5秒以内にページが表示されないと7割以上のユーザーが離脱してしまうという調査データもあるように、端末の性能やネットワーク環境が向上する一方で、モバイルサイトのパフォーマンスに対するユーザーの期待値もどんどん上がっているのも事実です。とくにECサイトのようなページでは、購入完了ページまでスムーズに進んでもらうことが売上げ拡大への大きなカギとなっています。
先月(2015年10月7日)、Googleはモバイルサイトを高速で表示させることを目的としたAMP(Accelerated Mobile Pages)というプロジェクトを発表しています。AMPに関する解説は、Google AMP(Accelerated Mobile Pages)プロジェクト研究でもご紹介していますが、モバイルユーザーの一瞬の心をつかむためにはサイトのパフォーマンスも含めたユーザーエクスペリエンスを考えることが大切ですね。
自社サイトのパフォーマンスについては、第三者が提供しているチェックツールもあります。
これらのツールでは改善すべき点が明確になり、すぐに取り組むことのできる項目も見つけられると思います。ぜひ活用してみてください。